社会 人財戦略

人財への投資拡大による人財価値の向上

当社グループは、「“喜び”を実現する企業グループ」をミッションとして掲げ、2031年の創業150周年に向け2021年に策定した「未来ビジョンCX150」の実現に向けた戦略を具体化するため、2025年度から2027年度までの3ヵ年を対象とする「中期経営計画2027」を策定し、グループ全体でその計画達成への取り組みを進めています。
経営戦略および事業戦略を実現させる主体は「人財(従業員)」にほかなりません。人財戦略を投資と捉え、対象領域として採用、人事制度、働き甲斐、人財開発、ウェルネス/ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、グローバリゼーションの6領域を定めました。
今後、各領域が連動して施策を展開することで、経営ビジョンの実現に資する高い価値を有する人財を継続的に輩出することを目指しております。また、組織開発や人財のアロケーションなどにより、施策の実効性を高め、組織力および人財価値の最大化に向けた取り組みを推進していきます。

人財戦略の全体像

採用戦略

当社は「人財こそ企業成長の基礎」という信念のもと、優秀で多様な人財の採用を企業戦略の中核に据えています。持続的な競争力強化や社会的価値の創出、お客様への新しい価値提供の実現には、優秀な人財の獲得が不可欠であると考え、長期的視点に立った計画的な採用活動を推進しています。
建設業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、当社は建設技術のみならず、デジタル、環境、グローバルなど多様な領域で高い専門性を持つ人財を求めています。特に、自ら課題を発見し、主体的に解決へ挑戦する姿勢や、多様な価値観・変化を積極的に受け入れる柔軟性、高度な専門性や社会課題解決への貢献意欲を持ち、当社の企業文化に共感できる人財の採用に注力しています。
新卒採用においては、1dayから長期まで多様なインターンシッププログラムを通じた業界・実務体験や、リアルおよびオンラインでの会社説明会、キャリアセミナー、現場見学会などを積極的に行うことで、学生との早期接点を創出。業界理解と当社への理解を深め、相互のミスマッチを防止する取り組みを進めています。
キャリア採用では、企業風土とマッチングしやすい従業員によるリファラル(友人・知人紹介)に加え、人材紹介会社・転職エージェントの活用により、多様で専門性の高い人財の発掘・確保にも力を入れています。また、2025年5月より新たに導入するアルムナイ制度(企業同窓会制度)では、退職した方々と継続的につながりを持ち、情報交換や交流の場の提供を開始しました。こうした取り組みを通して、アルムナイの再雇用に繋げ、知識や経験を活かした新たな価値の創出に繋げていく予定です。
採用広報と魅力発信の強化として、2024年に竣工した新本社「TODA BUILDING」は先進的な建設技術や環境配慮の取り組み、働き方改革を体現した空間設計、戸田建設の魅力と未来志向を象徴する建物であり、ブランド発信のシンボルとして積極的にPR活動をしている他、YouTubeやInstagramなど多様なデジタルチャネルを活用し、当社の魅力などの情報発信にも取り組んでいます。今後も、優秀で多様な人財の確保・活躍を通じて、持続的な企業価値向上と社会への貢献を実現していきます。

人事制度の継続的改革

当社では、従業員が働き甲斐を感じて自己実現できるよう、2023年度に人事制度を刷新しました。新たなミッション・グレード制度では、年功的要素を廃し、役割や貢献度に応じた実力主義の等級・報酬制度としています。これにより若手の抜擢や適所適材の配置を進め、組織全体の活力向上を図っています。また、性別やライフイベントによる格差の解消に向け、多様なキャリア形成を支援できる環境を整備しました。さらに、市場競争力を意識した報酬水準を維持し、優秀人財の獲得と定着も目指しています。そのほか、公平な評価制度や役職定年制度、70歳までの再雇用、役職定年制度も導入し、持続的な企業価値向上の基盤としています。
今後は、刷新した人事制度の改善を図りつつ、従業員の成長と挑戦を支える制度改革を進め、人財戦略をさらに強化していきます。特に「フロントラインへの人財シフト」を推進することで、現場の最前線で活躍する人財を増強し、全社一体で現場力を高めていき、経営資源の最適化と環境変化や顧客ニーズに柔軟かつ迅速に対応できる現場対応力の向上を実現し、市場における競争力の強化と、お客様の更なる満足度向上につなげていきます。さらに、作業所勤務者の処遇改善などにも積極的に取り組むことで、「誇りを持てる処遇」を実現し、現場で働くことに意義と誇りを感じ、エンゲージメント向上の実現を目指しています。
これらの人事制度改革や施策を通じて、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を整えることで、当社ならではの強みを引き出し、企業価値のさらなる向上につなげていきます。

企業価値向上を促進する新たな人事制度へ刷新

働き甲斐改革

従業員一人ひとりが日々の仕事に働き甲斐を感じて、気持ちをひとつにチャレンジ精神を持っていきいきと仕事に臨むことができる環境を構築することで、新しい価値が生み出されます。
当社では、従業員一人ひとりが思い描く理想の「ライフ(人生)」を実現する手段のひとつとして「ワーク(仕事)」を考え、家族や趣味、学びなどの手段とともに、より自分らしく、充実した働き方を選択する「Work in Life」の考え方を重視しています。
2024年度から適用された時間外労働の上限規制を踏まえ、近年、総実労働時間の短縮や休暇取得日数の促進などの取り組みを全社的に推進しています。
さらに、経営者目線で事業案を考え、これまでの業務ではチャレンジできなかった領域に踏み出すことができるなど、従業員がより大きなやりがいや成長を実感できる機会を提供することを目的として、2022年度より社内ベンチャー制度を導入しました。
今後も引き続き、従業員が「Work in Life」を追求して、日々の業務に働き甲斐を実感できるような環境づくりを進めていきます。

従業員の挑戦を促す取り組み

当社では、事業創出と人財育成を目的として、2022年度から社内ベンチャー制度(プログラム名称“GATE” )を導入しました。GATEは、従業員が新規事業を会社に提案し認められた場合に、そのプロジェクトに対するバックアップや予算、施設の提供など、会社が一定の援助を行い、事業化あるいは会社設立を目指すプログラムです。採択された従業員はプログラムへの参加を通して、新規事業に明るい外部パートナーによる研修やメンタリングのサポートを受けることができます。新規事業への情熱を持ち続けられるように会社が伴走支援する点が特徴です。
23年度と24年度で計80件の応募があり、15チームがプログラムに参加しました。そのうち5チームが最終審査を通過し、事業化に向けたプレシードステージに進んでいます。
従業員の思い入れの強い事業案をもとにしたボトムアップ型の制度であり、会社が従業員に伴走支援することにより、従業員の新たな領域へのチャレンジを促して、いきいきと活気ある社風の形成や、経営者目線を備えたイノベーティブな人財の育成などを企図しています。
今後も、従業員にとって、大きなやりがいや達成感、成長を実感できる機会を創出して、働き甲斐の向上に向けた取り組みを推進していきます。

最終審査の様子
最終審査の様子
最終審査の様子
プログラムの全体イメージ

フレックスタイム制の導入

当社は、全社をあげて「労働生産性の向上」、「総労働時間の短縮」、「健康経営」などの「働き方改革」に取り組んでおり、その一環として本制度を導入しています。
2020年6月21日よりフレックスタイム制の「コアタイムを廃止」して、より効率的・効果的な新たな働き方に自律的に挑戦することにより、個人および組織の成果拡大につなげる他、労働時間管理を「1日」から「1ヵ月」の総実労働時間へと移行することで、より計画的な働き方への意識の醸成を図り、年間の総実労働時間の減少と個々の自由時間や自己啓発など自己への投資の時間の創出を目指しています。

フレックスタイム制の詳しい内容はこちら

ワーク・ライフ・バランスの充実

当社では、社員一人ひとりが「健全、且つより高いモチベーションのもとで能力を発揮し、安心して健康的に働くことができる職場環境」を整備することを目的として、仕事と家庭の両立に加え、個人生活においても充実感を感じられるよう、メリハリのある働き方を実現するための仕組みづくりを継続的に行うなど、ワーク・ライフ・バランスの充実に向けた取り組みを進めています。

ワーク・ライフ・バランスの詳しい内容はこちら

  • SCIENCE BASED TARGETS DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
  • RE100
  • ECO FIRST
  • BOSS IKUBOSS AWARD 2016