建設工程~ その6 ~竣工式
竣工式って、ナニ?と思われた方もいらっしゃいますよね。
竣工式は、施主、建物の安全や発展を祈願すると共に、
完成した建築物を関係者にお披露目し、お祝いする式典です。
ところで、建設プロジェクトには様々な式典がありますが、
どの式典も神事の順序は共通です。
簡単に説明すれば、神様をお迎えし、米や酒をお供えして、
お願いごとをした後、神様を丁寧にお送りします。
…省略し過ぎたでしょうか。。
1 | 手水 (てみず) | 式場の外で手に水をそそぎ、身を清める |
---|---|---|
2 | 修祓 (しゅばつ) | 神職が大麻(おおぬさ)で参列者を祓う |
3 | 降神 (こうしん) | 神様をお迎えする |
4 | 献饌 (けんせん) | 神前にお供え物(神饌)をする |
5 | 祝詞奏上 (のりとそうじょう) | 神職とともに、神に祈願を行う |
6 | 切麻散米 (きりぬささんまい) | 神酒、米、塩、切木綿をまいて敷地の四方を祓う |
7 | 鍬入れの儀※ (くわいれのぎ) | 盛砂に、鎌入れ、鍬(くわ)入れ、鋤(すき)入れを行う |
8 | 玉串奉奠 (たまぐしほうてん) | 神職、施主、設計者、施工者が順に玉串を供える |
9 | 撤饌 (てっせん) | お供え物(神饌)をさげる |
10 | 昇神 (しょうしん) | 神様をお送りする |
11 | 神酒拝戴 (しんしゅはいたい) | 神酒のおさがりを頂戴する |
※ 7 は地鎮祭のみ行います。
祝詞(抜粋)の例を見てみましょう。
『 今も往(ゆ)く先も 家にも身にも禍(まが)事(こと)無く
各も各も 営む業(わざ)の道の弥(いや)むくさかに
御(み)垣も石の常盤(ときは)に堅石(かきは)に
恵み幸はへ給ひ 千代に八千代に 家門(いへかど)高く広く
立ち栄えしめ給へと 畏み畏みも白す 』
【要約】
この先、家にも身体にも災禍が無く、仕事も順調に進み、
いついつまでも家の門が高く広く栄えるようによろしくお願いします。
こんな身近なことをお願いしていたんですね。
どうです?皆さんもご家庭でお祈りしてもらいたくなりますよね。
特に日本人は、「いざとなると神頼み」ということでしょうか。
初詣だけでなく、縁結びスポットも人気ですし!
また、式典では参列者の席が決まっています。
会場の奥に向かって右側が、建物を発注した人(施主)および来賓、
左側が工事関係者(設計者、施工者)です。
さぁ会場の準備もバッチリ整いました!
施設名称は、ガーデンミュージアム!
食べられる建物は、洋風の美術館だったんですね。
前にお話したように、
前方に向かって右側に施主であるお子さんたち、左側に施工者である山本さんが座っています。
「では、ただいまより匙(さじ)入れの儀を執りおこないます」
「匙入れの儀」とはなんとも厳かなネーミング!
ところで、工事の始まる前に行う地鎮祭の儀式に「鍬入れの儀」があります。
鎌で草を刈る所作、鍬(くわ)で土を掘る所作、鋤(すき)で土をすくう所作をします。
名前からして「匙入れの儀」に似ているような??
さあ、いよいよ試食タイムです!
子どもたちは満足してくれるのでしょうか!?ドキドキ……
「……おいしい!」
や、やりました!
「おいしい」の一言、いただきました!
関係者一同、喜びを爆発させます。
割れんばかりの拍手が鳴り止みません。
感動のフィナーレです!
……しかし、そんな中、会場の片隅で衝撃的な出来事が・・・・・・。
ふと女性社員が、設計部長に尋ねました。
「ところで部長、どうしてこのデザインにしたんですか?」
そういえば、そうです。
「食べられる建物」というお題で、どうして設計部長は
このガーデンミュージアムのデザインにしようと思ったんでしょうか?
すると、おもむろに部長が一言‥‥
「それはね、羊羹(ようかん)で作るから、
洋館(ヨウカン)にしたんだよ」
えっ‥‥‥‥‥‥‥‥、
た、ただのダジャレだったんですか??
しかも、こんな真剣な顔で‥‥‥‥‥?
というわけで、一同、こうなりました、笑
チャン、チャン♪
そして、竣工式の3日後――。
こんな感謝のハガキが戸田建設の社長室に届きました。
差出人は、あの山本さんのお子さん。
ほのぼのするなぁと思って読んでいたら‥‥‥‥‥、
「チョコでちょーこーそーびる」??
どうやら設計部長の一番弟子ができたみたいです、笑
ダジャレ建築士を目指されても困ってしまいますけどね。。。
チャン、チャン、チャン♪
最後に、このプロジェクトに協力いただいた東京製菓学校さんから
動画でメッセージをいただきました。ご覧ください。
■東京製菓学校 学校長 梶山 浩司さん
そして、最後まで記事を読んでくださった皆さま、
全6回の長丁場にお付き合いいただいて本当にありがとうございます。
戸田建設はこれからも皆さまのご期待に応えられるよう頑張りますので、
どうぞよろしくお願いいたします。