五島市福江島の崎山漁港の沖合約7km(水深約130~140m)の海域に浮かぶ8つの風車。
ここが、国内初となる浮体式洋上風力発電所「五島洋上ウインドファーム」、いよいよ2026年1月に発電を開始します。
出力は16,800kW(2,100kW×8基)。発電した電気は海底ケーブルを通じて連系変電所に送られたのち、地元の小売電気事業者から五島市内の一般家庭や企業などに届けられます。
事業名称 | 五島市沖洋上風力発電事業 |
---|---|
事業主体 | 五島フローティングウィンドファーム合同会社 |
発電設備 |
浮体式洋上風力発電設備 16.8MW (=2.1MW機×8基)(全長176.5m、ローター径80m) |
所在地 | 長崎県五島市福江島崎山沖 |
参画企業 |
戸田建設株式会社、 ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社、 大阪ガス株式会社、 株式会社INPEX、 関西電力株式会社、中部電力株式会社 |
海の上に浮かぶ風車は、船として扱われます。8基の風車には、地元の小・中学生の皆さんから応募していただいた名称がつきました。
子どもたちの豊かな感性と未来への希望が感じられる素敵な名称になりました。
風車を海の上に建設して、そこで発電を行うことです。洋上は陸上とは違って障害物がないので風の乱れが小さく、風力発電に適した風が吹くことがわかっています。洋上風力発電は、風車を支える構造物の特徴によって「着床式」と「浮体式」に分類されます。
陸上に比べて強くて安定した風を利用できる洋上風力発電施設は効率の高い発電が可能です。加えて、洋上に設置することで「騒音や景観への影響が少ない」「陸上より大きな風車を建設できる」など、海に囲まれている日本の地理的特性をいかせる発電施設なのです。
日本は国土が狭いうえに平坦な地形が少ないなど、陸上に風力発電に向いた土地は多くありません。一方、四方を海に囲まれているため、洋上風力の可能性には恵まれていますが、日本は遠浅(水深60m以下)の海域が少なく、風車を支持する構造物を海底に固定(着床式)できる場所には限りがあります。
そこで戸田建設はチェーンなどで海底につなぎとめられた浮体構造物に風車を設置する「浮体式」の洋上風力発電の開発を進めてきたのです。「浮体式」であれば水深の深い沖合にも設置できるほか、景観やブレード等による風車騒音が及ぼす生活への影響も最小限に抑えることができます。
「起き上がり小法師」のように重心が下方にあるので、風でどんなに傾いても起き上がり、もとの状態に戻るように設計されています。
あらかじめ設定しておいた風速を超えると、ブレードの傾きを風向きと平行に変えて風を受け流し、ロータの回転を停止させるようにしています。
2,100kW発電機を搭載した浮体式洋上風力発電施設です。
日本生まれの技術です。細長いスパー型浮体の上部に鋼、下部にコンクリートを併用(ハイブリッド)することで、すべて鋼とするよりも低コストで、安定性の高い構造とすることが可能です。
約3,500トンです。浮体は中空となっていて、浮体の下部にはバランスを保つためのバラスト材が入っています。
未来の地球のために脱炭素化への取り組みは欠かせません。エネルギーについても化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が急がれています。持続可能な社会の実現を目指す戸田建設は20年近く前(2007年)から洋上風力発電に取り組み、大学、研究機関や企業とともに技術の蓄積を重ねてきました。
※実証機「はえんかぜ」と比較
はえんかぜについては
こちらのサイトをご覧ください。
▼ ▼ ▼
こちら